パワハラ指針の改正により10月1日から従業員ごとに設定された営業目標(ノルマ)が適切なものか検討する必要がでてくるかもしれません(2026.7.11)

・厚生労働省は、令和8年2月26日、パワハラ指針を改正し、「使用者が労働者に対し、労働者の自由な意思に反して、自社の商品・サービスを購入させる行為」、いわゆる『自爆営業』を、パワーハラスメントに該当すると規定し、令和8年10月1日に適用することとしております
・自爆営業の問題は、使用者側による達成困難な営業目標の設定自体との因果関係が問題視されており、今後は営業目標(ノルマ)が適切であるか検討する必要があることに留意する必要があります(使用者が労働者に買取を指示していない場合でも、ノルマ未達成に対する叱責自体がペナルティになるという判断を示した判例もあります)
・具体の事例として次の4ケースが示されています
ケース1:使用者としての立場を利用して、労働者に不要な商品を購入させた
ケース2:労働者に対して自社商品の購入を求めたが、労働者がこれを断ったため、懲戒処分や解雇を行った 
ケース3:従業員ごとに売上高のノルマを設定しており、ノルマ未達成の場合には人事上の不利益取扱いを受けることを明示していたところ、ノルマ達成のため、労働者自身の判断で商品を購入した 
ケース4:現 実 的 に 達 成 困 難 な ノ ル マ を 設 定 し 、 ノ ル マ 未 達 成 の 場 合 に は 人 事 上 の不利益処分を行うこととしてといる
・法令上の問題点として、例えばケース1やケース3では、売買契約が公序良俗(民法90条)に反して無効、または不法行為(民法709条)として損害賠償の可能性になりますし、ケー2では、懲戒権や解雇権の濫用(労働契約法15条・16条)、ケース4では達成困難なノルマを設定することが業務命令権の濫用として無効となる可能性があり、ノルマを前提とした不利益処分も無効・不法行為として損害賠償責任の可能性もあります

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